人が集まって暮らすマンションやアパートは、居住区域が隣接するため、予期せぬ近隣トラブルが発生してしまうことがあります。
近隣トラブルの中で特に起こりやすいのが、中でも騒音問題です。

その原因や対処法を知っておくことで、トラブルを避けられたり、うまく対処できるかもしれません。
今回は、騒音問題を含めた近隣トラブルについて、原因や対策を紹介します。

賃貸マンションやアパートで気をつけたい騒音について

新聞の社説でも取り上げられたことのある、「煩音（はんおん）」という言葉を聞いたことがありますか？
「騒音とは異なり、音量はそれほど大きくなくても、聞く人の心理状態や人間関係などの要因によって煩わしく感じられる音」のことです。

心理状態次第で、あまり大きな音でなくても人によっては煩音になりかねないので、注意が必要ですね。
住宅の敷地面積が小さめな賃貸のマンションやアパートは、隣家との距離がとても近くなります。

生活していれば普通に発生する、足音、家電の音、夫婦喧嘩、子どもの泣く声などもすぐに漏れ聞こえてしまうのです。

では、集合住宅に住む500人を対象に実施した「アパート・マンションの騒音トラブルに関する意識調査」から、
実際に悩んでいる、悩んでいた、騒音トラブルを紹介します。

アパートやマンションで悩んだことのある騒音トラブルの例

1位　足音が響く
2位　声がうるさい
3位　宴会が騒がしい
4位　大音量の音楽
5位　楽器の音
6位　テレビの音量
7位　大きな歌声
8位　掃除機・洗濯機の音

出典：株式会社AlbaLink実施の「アパート・マンションの騒音トラブルに関する意識調査」より

この結果を見ると、気を付けるのが難しい生活音も含まれていることがわかります。

起こってしまいがちな生活音

「足音が響く」というのは、マンション、アパートの下の階に住む人が、上の階の人の足音に悩むケースが多くなります。
特に走り回る子どもや夜中の足音など、迷惑をかけている、迷惑をかけられるケースがあります。

「声がうるさい」とは、赤ちゃんの夜泣き、夫婦喧嘩、電話の話し声など、こちらも普通の生活の中で大きくなりがちな音です。

また、子どもが立てる足音や鳴き声などは、感じていても多少我慢してくれているケースもあるので、お互いに気遣って生活したいものですね。
掃除機・洗濯機なども毎日のように使う家電製品ですので、夜中の利用は避けるなどの注意が必要かもしれません。

法的に問題となる騒音とは？

さて、法的に問題のある騒音とはどのような音でしょうか？
民事裁判においては損害賠償の対象となる「不法行為」として認められる例は、以下のような音です。

・深夜に集団で大騒ぎをしている音
・隣の室内まで聞こえる程度の音量で、音楽を演奏する音
・明らかな嫌がらせにより発せられている音

しかし、生活していれば普通に起こってしまう音を規制する法律は現在、存在しません。
そのため、迷惑行為などがなければ、騒音が法律的に問題となることはないと思われます。

騒音以外も気を付けたい近隣トラブル

住宅で発生する臭い

日常生活で発生する臭いも、近隣トラブルにつながります。

住居内でのゴミの放置やため込みなどによる悪臭のほか、
ベランダや窓を開けての喫煙などが他の住民にとっては悪臭になるなどのトラブルもあります。

共用部分、共用駐車場の使い方

共用部分のトラブルの一つに、ゴミ出しのルールを守らないというものがあります。

ゴミ出しの種類、日や時間を守らない、粗大ゴミを放置するなどの規則を守らないと、
ゴミが放置されることにもつながり、近隣に悪影響を与えます。

駐車場については、駐車していけない場所に車を停めてしまう無断駐車、
はみ出し駐車のほか、車が接触して傷をつけてしまうなどのトラブルも起こりえるでしょう。

ごく小さなトラブルから人間関係にトラブルが生じ、住みにくくなったケースもあります。
小さな不満がたまると大きなトラブルになることもあるので、注意が必要です。

 

近隣トラブルになった時の解決策は？

管理会社や大家に相談

万が一、近隣トラブルで悩んでしまった場合は、まずアパートやマンションの管理会社（マンション管理組合）や大家さんに相談するのが優先です。
発生しているトラブルの状況（騒音が発生した日時、誰が起こしたのか、どのようなことで問題になっているのかの状況）を具体的に、詳しく伝えます。

最初はできれば管理会社や不動産会社、大家さんから自分の名前を出さずに注意してもらい、相手の騒音が軽減されるか様子を見てもらいましょう。

市役所などの公的機関

市役所（区役所・町役場）の「生活課」に相談するのも一案です。
悩んだら一人で抱え込まず、早めに相談してみると、いいヒントが得られるかもしれません。

警察や弁護士に相談

緊急性はなくても、近隣トラブルに悩んですぐに解決できないような相談は、警察相談専用電話#9110も相談先の一つです。
近隣トラブルを含め、生活の安全に関する相談を受け付けており、場合によっては匿名での利用も可能です。

また、近隣トラブルが深刻化して、管理会社や大家さんに相談しても解決しない場合は、弁護士などへの相談を考えるのも一案です。
法テラスなどの無料相談などを活用してもいいでしょう。

まとめ

もし近隣トラブルが起こった場合は、管理会社、公的機関や専門家にも相談しつつ、快適な住環境を守っていきましょう。
今回、紹介した対策を試しても解決の目途がつかない場合は、引越しも検討しましょう。

引越し先を選ぶにあたっては、騒音の起こりにくいRC造（コンクリート）のマンションを選んだり、
不動産会社に近隣の環境を調べてもらったりなどして、次は近隣トラブルに巻き込まれないような引越し先を検討したいものです。

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